今日、某生命保険会社の営業ウーマンが飛び込み営業に来ました。
保険の営業は割と頻繁に来ますが、大体「保険には入られてますか?」と聞かれるので、いつも「知り合いに任せているので」とすぐお帰りいただいています。
今日もそうしようかと思ったのですが、保険の話は一切せず意外な提案をされました。
ちょっと見えにくいですが、乳がんのピンクリボン活動のパンフレットを渡され、使用済切手を貯めておく箱を置いておいて欲しいと言うのです。
この使用済切手をリサイクル業者を通じて換金し、日本対がん協会というところに寄付するんだそうです。そして、保険の営業マンがこの箱を定期的に回収しに来るとのこと。
今日はその話だけして数分で帰られましたが、話を聞きながらこれってすごい取り組みだなぁと思いました。
保険の商品自体はどの会社も似たり寄ったりで、強烈に差別化できるほどではありません。
だからこそ、親身になって相談に乗ってくれる営業マンとの『人間関係』が重要になってきます。
ところが、人間関係は一朝一夕に築けるものではないので、飛び込み営業での即契約というのはかなり難しい。
1.飛び込み営業で嫌がられずに話を聞いてもらう。
2.その後、何度も訪問して人間関係を築く。
この2つのハードルを乗り越えるのは、どんな業種の営業マンでも苦労するはずです。
そこで考えられた仕掛けが、今回の『ピンクリボン運動の応援』と『使用済み切手の回収』だと思われます。
■ハードル①:【飛び込み営業で嫌がられずに話を聞いてもらう】
課題:求めていない保険の営業をするから嫌がられる
【ハードル①を乗り越える仕掛け】
→そこで保険の話をせず、『社会正義性』のあるピンクリボン運動の話をする
→こちらとしては聞かない理由がないので、少しだけなら説明を聞こうと思う
→さらに、「お?他の保険会社とは違うな」という印象を与えられる
■ハードル②:【その後、何度も訪問して人間関係を築く】
課題:保険の営業に何度も来られても迷惑
【ハードル②を乗り越える仕掛け】
→使用済切手ボックスを置いてもらう(断りにくい)
→募金ではなく『使用済切手』という誰でも手軽にできる方法なので負担にならない
→そして、定期的に回収しに訪問することで人間関係を築く(目的達成)
あくまで私の想像ですが、保険の契約率が高い方法をより一般化するために、目的から逆算してかなり考え抜かれた仕組みだと思いました。
誰もが賛同して断りにくい『社会正義性』と、それに関連した『目的達成のための仕掛け』。
工務店のUSPづくりと集客・受注の戦略を構築をする上で、めちゃくちゃ参考になる【考え方】だと思います。
この取り組みがどれぐらい成果につながったのか?
今度回収しに来られた時に聞いてみます。
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