私は20代の頃、建売会社の営業マンをしていました。

こちらから売り込むのではなくお客さんの方から来ていただく仕組みを作るためにマーケティングに興味を持ち、会社のチラシも作っていました。

結果は当たったり外れたり。

「どうすれば安定してお客さんが来るんだろう?」と悩んでいた時、2日で100組集客したという他社のチラシを手に入れることができました。
 
「これを真似すれば100組来るかもしれない。」

そのまま丸パクリしたチラシを作った私は、心をウキウキ躍らせながら当日を待ちました。


その集客結果は・・・・・予想外のゼロ組


同じチラシをまいているのに、100組とゼロ組の差。

なぜこんなに極端な差になるのか?
その秘密が気になって仕方がなかった私は当時の会社を辞め、100組集めた工務店さんへ転職しました。
 
そこで「驚愕の事実」を目の当たりにしたのです。
 
それはチラシを打つまでの【種まき】の決定的な差でした。




■チラシ集客の事実


今までの私は、見学会を開催するその日に「●月●日、見学会やります!」というチラシを入れていました。
一般消費者はこのチラシに書かれている情報だけで「行くか行かないか」を判断するしかありません。


図解-01



ところが100組集めた工務店は、まったく違うアプローチを取っていました。
チラシを入れるずっと前から、こまめな「情報発信」を行なっていたのです。


・なぜこの土地を仕入れることになったのか?
・効果的な区割りをするのに社内で話し合ったことは何なのか?
・間取りを決定するまでの設計者の苦悩
・建築中の予想外の出来事
・構造見学会の様子
・完成に至るまでの大工の熱意

 
こういった【家ができあがるまでのウラ話】を、情報誌(ニュースレター)やブログ、ホームページ、メルマガなどで消費者のもとに届け、最後の最後に「今まで情報を届けていたあの家がついに完成しました!」というチラシをいれていたんです。

 
図解-02




これは、「100組集まったチラシ」を表面的に見ただけでは決して分からないことでした。


こうした情報発信によって【家ができるまでの物語】を共有していた消費者は、「お客さん」というより「ファン」になっていました。
 
その証拠に、見学会に来られる消費者は、

「これが高知まで行って手に入れた漆喰なのね」
「2階にリビングがあるのは、周りの景色を楽しんでもらいたいという設計者の想いがあるからなのよね」
「この人が、丁寧な仕事をするあの大工さんですよね」

といった【物語】を知ってくれていました。
しかも、新規のお客さんに対してその物語を語ってくれるんです。


これには正直驚きました。

結果的に見学会は大成功。
不利な立地条件にも関わらず、相場よりも1,000万円高い価格で、即日完売するというおまけつきでした。 



この光景を見た時に、

【家ができた】という事実ではなく、【家づくり物語】こそが大切。

ということを強く感じました。



弊社が行なっている「アブリダスマーケティング」が

1.商品の「隠された物語(価値)」をあぶりだし
2.ホームページや情報誌などの販促ツールを使って効果的に伝えていく


ことを目的としているのは、こうした過去に裏打ちされています。


(完)


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