住宅会社のイベントの花形といえば「完成見学会」
 
自社がこだわった建物を見てもらう晴れ舞台であり、集客と受注に結びつける重要なイベントですから、どこの工務店さんもチラシ作りに気合が入ります。
 
そのチラシで重要なのが「キャッチコピー」
 
一昔前までは「まだ家は建てるな!」といった煽り系の効果がありましたが、最近は苦戦されてる工務店さんが多いようです。
いったいどんなキャッチコピーにすれば効果的なのか、試行錯誤を繰り返されてる方も多いのではないでしょうか?

しかし、キャッチコピーづくりはそれほど難しくありません。
今回は事例と共にそのコツをご紹介します。




■パクれるキャッチはダメ!


チラシづくりをお手伝いした九州の工務店さん。
 
お客様の希望に合わせてどんな家でも建てられることがウリで、「家族全員の夢を叶えた住宅」の完成見学会のチラシを作りました。

この工務店さんから最初に上がってきたチラシのキャッチコピーがこちらでした。

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「お、いいね。ウチもこれをパクってみようか。」

と思われた工務店さんもいるかもしれません。
実はそれ、失敗するキャッチコピーのパターンなんです。

他社がパクれるということは、見学会で見てもらう住宅に特徴がないことと同じ。
どこでも見られる家をわざわざ見に来い!ということにそもそも無理があります。

「この見学会でしか見ることができないウリは何か?」

それを見つけていただくために、このお施主さんが希望されていたこだわりを書きだしていただきました。


【お施主さんの希望】
 
・ご主人の趣味はトレッキング、パソコン、本。
・現在の住まいは一戸建ての借家。
・奥様の趣味は絵画。アトリエになるスペースが欲しい。
・お子さんは小学生2人。趣味は工作、プラレール遊び。
・初めて会った時から、当社の自然素材をふんだんに使った人にも優しい住宅造りに興味を持たれた。

■ご要望
・今の住居は3LDK。それぞれの事をしながらも家族がリビングに集まるという今の生活スタイルは変えたくない。
・両方の実家が2階建てで、施主さんたちが巣立った後は2階を全く使わない。子どもの独立後のことも考えて、両家の親からも平屋住宅をすすめられた。
・奥様はリビングで趣味の絵画を描きたいので、リビングの一角に収納も欲しい。
・ご主人は書斎が欲しい。

この家にしかないウリがたくさん出て来ましたね。
それらのウリを盛り込むことで、キャッチコピーはこう変わりました。
      ↓↓↓↓

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いかがでしょうか?

この物件にしかない「ウリ」にフォーカスした、【とんがった】キャッチコピーになりましたね。
結果は、チラシの配布枚数が多くないにも関わらず27組の集客。
この工務店さんにとっては過去最高だったそうです。
(注:ただし、集客数=成功ではありません。その話はまた改めて。)

 

■万人受けを狙わない!

このように、キャッチコピーのコツは【万人受けを狙わないこと】
 
それぞれのお客様にしかないこだわりを明確にすることで、その物件でしか見られないウリを強調することができます。
 

今作っているチラシのキャッチコピーを見て、「あれ?これって社名を変えたらヨソの工務店でも使えるんじゃないかな・・・」と感じた場合は、一度お施主さんとのやり取りを書きだしてみてください。

そして、「この家の何を伝えたいか」よりも「この家がどんな人の役に立つのか?」という視点で、来てほしい新規のお客さんの姿を想像してみてください。

そのターゲット像が尖れば尖るほど結果的に集客も増えますし、何より「価値観のあうお客さん」が来てくれやすくなります。